頭で覚えるだけでなく、身体で覚えて、いざというときに身体が動くように練習しましょう。
17分53秒の動画で、心肺蘇生とAEDを体験的に学ぶことができます。
以下に、17分53秒の動画で説明していることを示しています。説明は読んで、デモンストレーションのみ動画を視聴する事も可能です。
この図が示すように、心肺停止からの時間が長いと救命率は下がり、処置をした場合は、しない場合よりも救命率が高く、早く心肺蘇生処置を行うことが大切です。
(図は、クリックすると拡大表示します。)
119番に連絡して救急車が到着する時間は全国平均で約8.7分で、けやき台までは8分程度です。心肺停止から8分では処置をしなかった場合の救命率は10%で、処置がされた場合には20%強と救命率が約2倍高くなります。
更に、心肺蘇生の有無で社会復帰率に大きな差があるといわれ、できるだけ早く私達の手で心肺蘇生処置やAEDを実施できれば、社会復帰率は上がります。
外で人が倒れていることを前提に手順を示しました。
手順を1)~9)の9つのステップで示しています。このプログラムでは、この9つのステップを4つに分けて、それぞれ説明をした後に実技体験をしていきます。
ただし、人工呼吸は感染の心配もありしなくてよいとされており、また、新型コロナウイルス禍では成人に対しては人工呼吸をしないことになっていますので、③の実技体験は行わないこととします。
①安全の確認~119番通報・AED手配まで
1.安全の確認
まず、その場の安全を確認します。声を出して確認することがポイントです。訓練時から、『右良し、左良し、上良し、安全確認良し』と声を出すことで、咄嗟の時にもできるようになります。
2.反応の確認
半身麻痺など片方だけだと気が付かないこともあるので両方の肩をたたいて、反応を確認します。
酔っているだけのように意識がある場合、いきなり大声を出すとびっくりするので、最初は軽く、徐々に強く両手と声で意識を確認します。
反応がなかった場合はただちに助けを求めて人を集めます。
3.119番通報・AED手配
人が集まってくれたら、119番通報と、AEDの手配を依頼します。その時に気を付けたいのは、その人が特定できるように、例えば、「白いシャツの方」というように指名することです。もう一つ大切なことは、「必ず戻ってきてください」とお願いすることです。心肺停止状態と判断すれば、次に胸骨圧迫を行いますが、相当体力がいりますので、交代要員を確保することが必要になるからです。
それでは、安全確認から119番通報・AEDの手配までのデモを見て頂きます。後で、やっていただきますので、その積りで、注意して見てください。
それでは、声を出して、本番の積りでやってみましょう。
いかがでしたか。声を出して繰り返し練習すると、自然にできるようになると思います。
4.呼吸の確認
反応はなくても呼吸・心臓が動いていれば、胸骨圧迫は必要がありません。胸骨圧迫の必要性を見極めるのが、呼吸の確認です。
呼吸の確認は、目で胸腹部の動きを見て、耳で呼吸音を聞き、手で腹部の膨らみを触って、五感を使います。
以前は10秒で確認していましたが、次の胸骨圧迫を早くすることが大切なため、今は6秒で確認しています。正常な呼吸が無ければ心肺停止と判断し、すぐに胸骨圧迫をします。
5.胸骨圧迫
のど仏とみぞおちの間にある胸骨の下半分(左右の乳房を結ぶ線が目安)に心臓があり、そこに手の付け根を置いて両手で胸骨を圧迫します。スピードは1分間に100~120回、深さは胸の厚みの1/3押し込みます。成人の場合は約5cm押し込み、必要な力はおよそ30kgです。
心肺蘇生モデル人形では5cm押し込むと『きゅっきゅ』と音がして、「あっぱくん」という練習キットではハートを30kg押すと『ピッピッ』と音が鳴り、押し込めていることが確認できます。
圧迫により、心臓から血液を押出し、圧迫解除により、心臓に血液を送り込みますので、圧迫解除も大切です。
胸骨圧迫のコツは、腕のみで圧迫するのではなく、腕は真直ぐ伸ばして自分の体重を乗せるように押し込むことです。体重をうまく預けられるようになると、圧迫と圧迫解除がスムーズにできます。
それでは、呼吸の確認から胸骨圧迫に移るデモを見て頂きます。後で、やっていただきますので、その積りで、注意してみてください。では再生します。
それでは、本番の積りでやってみてみましょう。モデル人形や、あっぱくんがない場合は、クッションや座布団の2枚重ねで胸骨圧迫をやってみてください。
コロナ禍では、成人には人工呼吸はしないように指示されています。但し、家族では、その限りではないと思いますので、説明だけさせて頂きます。
6.気道確保+人工呼吸
心肺停止状態では、血中の酸素は減っていくので、適度に補充していく必要があります。胸骨圧迫を30回して、肺に2回空気を送り込むのが理想です。
ただし、人工呼吸は感染の心配もあり、しなくて良いとされています。
一般に意識を失って倒れた場合、舌の付け根が落ち込んで肺に通じる気道を塞いでしまいます。そこで、人工呼吸をする前に、下顎を指で持ち上げて気道の確保を行います。
人工呼吸は、鼻を指でつまみ、傷病者の口を完全に覆って、1秒かけて息を吹き込みます。これを2回行い、胸骨圧迫に戻ることになります。
7.AEDの準備・装着
ここでは、AEDを持ってきた方がAEDの使い方を知らないという前提で、手順を示します。
AEDを持ってきてくれた方に、胸骨圧迫を代わってもらい、AEDの準備にかかります。代わる時に、できるだけ胸骨圧迫を継続するように、指示や合図をしてスムーズに交代します。
AEDのケースから、AED本体と電極パッドを取り出します。そして、最初にAEDの電源を入れ、電極パッドを貼ります。
電源を入れたあとは、あわてず、音声メッセージに従って行動します。
電極パッドは心臓を挟み込むように、鎖骨部と脇腹に貼り付けます。その間も胸骨圧迫を続けていますので、コードが胸骨に被らないように貼り付けます。
8.電気ショック
準備が終わると、しばらくして、心電図解析中とメッセージが流れますので、《皆さん離れて下さい》と注意を促します。その後、電気ショックが必要な場合、「電気ショックが必要です。充電中です」とアナウンスされますので、《電気ショックを行います。皆さん離れて下さい》と注意を促し、誰も傷病者に触れていない事を確認し音声メッセージの指示でショックボタンを押します。
9.胸骨圧迫の継続
メッセージも流れますが、電気ショックを終えたら、AEDを装着したまま、直ちに胸骨圧迫を開始します。AEDは、2分間隔で心電図解析を行い、電気ショックの必要可否を判断しますので、装着したまま胸骨圧迫を繰り返すことになります。
それでは、AED装着から電気ショック後の胸骨圧迫継続までのデモを見て頂きます。後で、やっていただきますので、その積りで、注意してみてください。
それでは、本番の積りでやってみましょう。AEDがない場合も、あるものとして、身振り手振りで、パッドの装着、心電図解析、電気ショックの必要可否、ショックボタンを押す、胸骨圧迫と進めてください。では、お願いします。
いかがでしたか。
これで、一連の手順は終わりです。
最後に、今の新型コロナ禍における心肺蘇生での注意点について触れておきます。
基本的にコロナ禍においても、手順はほとんど変わりません。ただ、傷病者に感染疑いがあるものとして対応することになります。注意することとして、傷病者の顔に近づきすぎないようにする、傷病者の鼻と口にハンカチやタオルなどをかぶせてから対応する、人工呼吸はせず胸骨圧迫のみとし、対応後は、速やかに石鹸と流水で手と顔を洗い、使ったハンカチやタオルは、直接触れずに廃棄する、となっています。
ご視聴、ありがとうございました。
厚生労働省「救急蘇生法の指針2015(市民用)」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000123021.pdf
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